公益社団法人北海道柔道整復師会北見ブロック

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 2017年7月5日に開催された"公益社団法人日本柔道整復師会第46回北海道学術大会"において、当ブロック会員で網走市在住の有志数名が「網走市の地域介護予防活動支援事業について」と題して発表を致しました。
発表者 長尾 敦

網走市地域介護予防活動支援事業活動報告

 網走市において平成16年より地域支援事業の中の一般介護予防事業である、「地域介護予防活動支援事業」 名称「らくらく健康トレーニング」を当初1会場、柔道整復師3名の指導で開始。現在は、網走市内での認知度も高くなり、会場も増え、参加希望者多数の為、柔道整復師5名、フィットネスインストラクター3名、補助員2名の合計10名の指導者で6会場にて開催。開始時50名だった参加者も、現在では400名を超え、開始当初の8倍の規模となっている。
 おおむね65歳以上の送迎不要な方を対象とし、整骨院の休憩時間にあたる、午後1時30分から午後2時30分に実施。
 トレーニング中の事故のリスクを少なくする為、実施前に看護師又は一般のボランティアの方々が必ず血圧を測り、その後、脈拍数を測定する。体調不良の場合は実施を控えている。
 毎年5月、各会場において開講式を行い、週1回のトレーニングで約10ケ月、年間合計42回実施。 翌年3月の閉講式で網走市長より修了証が渡され、皆勤賞等の表彰も行う。
 開講式と年度終了時に実施している体力測定の項目は6つ。
 測定内容は、
1.身長・体重の計測。 
2.長座位体前屈。腰部の柔軟性を示す、長座位体前屈。これはハムストリングス・殿筋・腓腹筋・股関節の柔軟性が関与し、腰痛予防の目安となる。 
3.握力。運動機能全般の低下を測る指標となる。 
4.動的柔軟性を示すファンクショナルリーチは、手を伸ばして物を取る動作が容易であるかどうか、動的状態での転倒リスクの指標となる。 
5.バランス能力を示す、開眼片足立ちは、立位でのふらつきの指標、動的状態での転倒リスクの指標となる。
6.歩行能力をみる10m最大歩行は、10秒以内の実行で歩行を自立できる判断材料となる。
 筋力トレーニングの実施内容は、日本ボディデザイン医科学研究所 監修の「高齢者の筋力トレーニング」を共通の教本としてストレッチ・筋力トレーニングを行った。
 前期は、ストレッチ方法の周知と筋力トレーニングの強度を低く設定し指導。
 中期は、呼吸法の周知とトレーニング強度を漸増。
 後期は、トレーニング部位を意識させながら行い、回数・セット数を漸増。
 尚、各時期のトレーニングメニューは山﨑順造 会員がトレーニングの原理・原則に基づき作成したものである。
 以下のグラフは、平成26年度の評価結果のビフォー・アフターである。
5項目中4項目が全国平均を上回っている。長座位体前屈の結果は全国平均を下回っているが、
もう一つの柔軟性の指標であるファンクショナルリーチでは高い結果が得られている為、
長座位体前屈の結果は単に柔軟性の問題ではなく、測定による誤差の補正が必要と考えられる。
・今回の測定データは、平成26年度と平成27年度(28年度は現在網走市役所で集計中)、
2年間の変化を経過観察したものである。
・参加者の8割程度が次年度も継続。1年の年齢加算がある為、測定値に若干の低下は見られたが、全国平均を上回っており結果は良好である。
・機能訓練指導員である柔道整復師は介護予防の専門職であり、網走市では国が介護予防をスタートする2年前(平成16年)から介護予防事業を開始し、当事業の年間延べ人数は現在1万人を超え、規模も開始時に比べ約8倍となった。
・又、アンケートの結果、どの項目においても8割強の参加者が維持もしくは向上していると答えている。
アンケート13項目中、より顕著に現れた4項目についての表を見ると、参加者の感覚では、どの項目においても80%以上が維持もしくは、向上しているとの回答を得た。特に継続年数7年~9年の参加者が筋力・柔軟性・歩行速度・バランス能力ともに向上していると回答している。つまり、継続して筋力トレーニングを行うことが健康維持に繋がり、参加者に当事業の重要性が伝わるものである。また意見欄には、「年齢を重ねながらも同じことが出来ていれば良しとする!」という体力維持の意識の高さが伺えた。
・データからは5項目中4項目で、全国平均を上回っている。又、アンケートの結果から参加者の体感として、筋力の維持向上が達成されている。尚、現在に至るまで実施中の事故などはおきていないことも、前に述べた通りトレーニング開始時の状態管理が生かされていると考えられる。当事業会場まで、徒歩で通う参加者が往復路で転倒した事例は無く、交通手段の歩行もまた筋力トレーニングの一環としてとらえることができる。
・また、コミュニケーションの場としての活用が身体だけではなく心のリフレッシュ効果を発揮しており、冬季に引きこもりがちな北海道では、ロコモティブシンドロームの予防の一端を担い健康寿命の延伸に繋がっていると思われる。
・参加者の8割強が女性であり、健康志向は女性の方が高いことから、今後の課題としては男性の参加者をいかに増やすかを考える必要がある。また、当事業は網走市・各地域包括支援センターから高評価を得ており、今後も関係機関と協力し合い、追跡調査を行う考えである。
・当事業は近年まで、測定値データの比較検討を行っていなかったことを踏まえ、今後更に「低下の方向にある運動能力を明確」にし、その機能を向上させる為、「数値として目標を定め運動を処方」して行くことを検討する。
◎最後になりますが、網走市健康福祉部介護福祉課高齢者福祉係の職員の皆様にご協力いただきましたことにお礼申し上げます。