公益社団法人北海道柔道整復師会北見ブロック

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北見ブロック総合事業実施の為の
体力測定マニュアル

 公益社団法人北海道柔道整復師会・北見ブロック会員が総合事業において運動器の機能向上訓練を行う際には参加者の体力水準を把握するために次にあげる5つの項目の測定を行います。

・握力  握力は全身の筋力の状態を反映します。握力が弱くなっていれば、全身の筋力も弱くなっていると考えれます。
・5m通常歩行 歩行能力を評価します。
・チェア・スクワット30
(CS-30)
下肢の筋力を評価します。
・長座位体前屈 体幹の柔軟性を評価します。立位体前屈(FFD)と違い転倒の危険性が無く、安全に測定できる。
・開眼片脚立ち  バランス能力を評価します。バランスが崩れた際に補正する能力が反映されます。


機能訓練・測定実施前の留意点

※体力測定を行う前の状態チェックで、以下に該当する場合は測定を行わない。

 ・安静時に収縮期血圧180mmHg以上、または拡張期血圧110mmHg以上の場合。

 ・安静時の脈拍数が110拍/分以上、または50拍/分以下の場合。

 ・いつもと事なる脈の不整がある場合。

 ・関節痛など慢性的な症状の悪化。

 ・その他、体調不良などの自覚症状を訴える場合。

※厚生労働省「運動器の機能訓練アニュアル」より
 ※後述の “アンダーソン・土肥の中止基準”及び、
“日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会:
リハビリテーション医療における安全管理・推進の為のガイドライン” も参照


握 力
 準備
スメドレー式握力計
 方法
・人差し指のDIP関節が直角になるように握りの幅を調節します。

・被測定者は自然本体で立ち握力計の指針が外側になるように持つ

・握力計を身体や衣服に触れないようにして力いっぱい握りしめる。

 ※この際、握力計を振り回さないようにします。
 記録
・左右交互に2回ずつ行う。

・左右各々の良い方を記録する。

 注意点
・このテストは、右左の順に行う。

・同一被測定者に対して2回続けて行わない。




5m通常歩行
 準備
・ストップウォッチ

・直線で11mとれるスペースを確保する(部屋で無理な場合廊下など)。
①スタート地点、
②測定開始地点(スタート地点から3mの地点)
③測定終了地点(測定開始地点から5mの地点)
④歩行終了地点(測定終了地点から3mの地点)
 の4か所にライン等の目印を付ける。
 方法
・予備路(前後3mずつ)と計測区間5mの合計11mの歩行を行う。

・走らないように2回歩き、所要時間を計測する

 記録
・2回行って良い方を記録する。

 注意点
・測定は、測定開始地点と測定終了地点のテープを足で踏むか、足が越えた時点の所要時間を求め2回のうち良い方を記録する。(少数第2以下は四捨五入)

・杖や歩行器を使用している人は、杖・歩行器を使いその旨を記録しに明記する。

・「いつものように歩いて下さい」と伝え、走らせないようにする。

・横に付き添って歩きフラツキや転倒しそうななったら、すぐに補助できる態勢を維持しておく。




CS-30:チェアスクワット-30(30秒椅子立ち上がりテスト)
 準備
・ストップウォッチ

・肘かけの無い椅子

 方法
・両足を肩幅に開き、椅子のやや前方に足底を床につけて座る。(本人が立ち易い座り方)

・両手は胸の前で交差させ胸につけておく。

・「用意」、「始め」の合図でその人の最大限、膝、腰を伸ばした状態まで立ち上がり、
 すばやく元の姿勢(座位)に戻ってもらう動作を30秒間繰り返し回数を測定する。
 注意点
・30秒に達した時点で立ち上り動作が開始されている場合は1回とカウントする。

・膝、腰がその人の最大限に伸びていない場合はカウントしない。
 (関節疾患等がある場合その人の最大伸展位まで伸びていれば可)

・測定が無理な場合は途中で中止する

・座る勢いなどで椅子がずれたり、バランスを崩し後方等に倒れないように考慮する。





長座位体前屈
 準備
・長座位体前屈測定器(無ければ自作も可能)

 幅約22cm・高さ約24cm・奥行き約31cmの箱2個(A4コピー用紙の箱など)、段ボール厚紙1枚(横75~80cm×縦約31cm)、ガムテープ、スケール(1m巻尺または1mものさし)。
 高さ約24cmの箱を左右約40cm離して平行に置く。その上に段ボール厚紙をのせ、ガムテープで厚紙と箱を固定する(段ボール厚紙が弱い場合は、板などで補強しても良い)。床から段ボール厚紙の高さは25cm(±1cm)とする。
 右または左の箱の横にスケールを置く。

 方法
・被測定者は壁に背、尻をぴったりとつけ、両足を箱の間に入れ、胸を張って長座位を取る。

・両手は手のひらを下に向け肩幅で親指を段ボールの手前端に引っかけるようにして置く。

・下図の姿勢(初期姿勢)を取ったら、手中指から爪先までの距離を測る。
・初期姿勢を取った状態で箱の角(左右どちらでも可)にスケールの零点に合わせる。

・被測定者は両手を厚紙から離さずにゆっくりと前屈して、箱全体を真直ぐ前に出来るだけ
 遠くにスライドさせる。

 記録
・初期姿勢から最大前屈時の箱の移動距離をスケールから読み取る。

・最初に測っておいた手中指から爪先までの距離を引き記録する。cm単位としてcm未満は切り捨てる。

・2回行って良い方の記録をとる。

 注意点
・前屈姿勢をとったとき、膝が曲がらないようにする。(膝に障害がある場合、その人の最大伸展位)

・公社)日本柔道整復師会の評価基準では、爪先を起点にして其処から手中指先端までの距離を
 基準値としている為、移動距離から初期姿勢時の爪先、手中指までの距離を差引き数値を補正する。

かさい式長座位体前屈測定器も参照





開眼片脚立ち
 準備
・ストップウォッチ

 方法
・素足で行う。

・両手を腰に当て、片脚を5cm程度持ち上げ片脚立ちをしてもらう。

・本人のタイミングで片脚を上げてもらい、それと同時に「ハイ」など合図をしてもう。

 記録
・片脚立ちの持続時間を計測する。
 ただし、最大120秒で打ち切る。

・記録は秒単位とし、秒未満は切り捨てる。

・左右2回ずつ交互に行い、良い方を記録する。(1回目が120秒の場合2回目は行わない)

 注意点
・滑らない平らで安全な場所で行う。

・テストの終了の条件は次通りとする。
①持ち上げた足が支持脚や床に触れた場合。
②支持脚の位置がずれた場合。
③腰にあてた手が腰から離れた場合。

・被測定者には片脚でできるだけ長く立つテストであることをしっかりと伝える。

・被測定者には終了条件を徹底しておく

・片脚立ちの姿勢は、支持脚の膝を伸ばし、もう一方の足は前方に挙げ、
 挙げた足は支持脚に触れない姿勢をとる。

・被測定者がバランスをくした場合、すぐに支える事が出来るように準備をしておく。




かさい式長座位体前屈測定器
・下図の様にコンパネ材等をU字型に組み中央横向きに仕切りを付ける。

・天板の裏側の仕切りが当たる部分を零点として1cm毎に目盛をつける。
 (零点から手前がマイナス、向う側がプラス))




 方法
・片側を壁につけ固定し、中の仕切りにぴったりと足の裏を付ける。

・天板の上で手をスライドさながら前屈し天板上の目盛で手中指の位置を計測する
 中の仕切り(爪先の位置)より前に出るとプラス、仕切り位置まで行かなければマイナス
 理論的根拠
 本来、長座位体前屈は立位体前屈での転倒のリスクを回避する為に行われ始めた方法であるため、立位体前屈同様に爪先を基準(0cm)にして計測するのが望ましいと考えます。
 また、公社)日本柔道整復師会が編纂した個別機能訓練指導マニュアルの中で紹介されている長座位体前屈の測定方法も爪先を基準(0cm)に計測するものとされており、同会作成のプログラムを使用する時はこの基準によるデータを入力しなければなりません。
 立位体前屈では足関節が中間位で測定が行われる為、腓腹筋の緊張等が計測の結果に大きく影響されると考えられ、この方法で測定した場合、立位体前屈と同様に足関節が中間位で固定される為、立位体前屈に非常に近い結果となると考えられます。


体力測定評価基準参照




アンダーソン・土肥の中止基準

 ※アンダーソン・土肥の中止基準は機能訓練(リハビリ)で運動療法を行う際のリスク
  管理の目安に用いられる。  (上記の留意点と共に参照)

 Ⅰ.運動を行わないほうがよい場合

 ・安静時脈拍数120/分以上。

 ・拡張期血圧120mmHg以上。

 ・収縮期血圧200mmHg以上。

 ・労作性狭心症を現在有するもの。

 ・新鮮心筋梗塞1ヶ月以内のもの。

 ・うっ血性心不全の所見が明らかなもの。

 ・心房細動以外の著しい不整脈。

 ・運動前すでに動悸、息切れのあるもの。

 Ⅱ.途中で運動を中止する場合

 ・運動中、中程度の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛などが出現した場合。

 ・運動中、脈拍が140/分を越えた場合。

 ・運動中、1分間10個以上の期外収縮が出現するか、まはた頻脈性不整脈(心房細
  動、上室性または心室性頻脈など)あるは徐脈が出現した場合。

 ・運動中、収縮期血圧40mmHg以上または拡張期血圧20mmHg以上上昇した場合。

 Ⅲ.運動を一時中止し、回復を待って再開する場合

 ・脈拍数が運動前の30%を超えた場合、ただし、2分間の安静で10%以下に戻らない
  場合は、以後の運動は中止するか又は極めて軽労作のもに切り替える。

 ・脈拍数が120/分を越えた場合。

 ・1分間に10回以下の不整脈が出現した場合。

 ・軽い動悸、息切れを訴えた場合。




日本リハビリテーション医学会診療ガイドライン委員会:
リハビリテーション安全管理・推進のためのガイドライン

医師薬出版、2006より  、

 積極的なリハをしない場合

 1.安静時脈拍40/分以下あるいは120/分以上

 2.安静時収縮期血圧70以下または200以上

 3.安静時拡張期血圧120mmHg以上

 4.労作性狭心症の場合

 5.心房細動のある方で著しい徐脈あるいは頻脈がある場合

 6.心筋梗塞発症直後で循環器動態が不良な場合

 7.著しい不整脈がある場合

 8.安静時胸痛がある場合

 9.リハ実施前にすでに動悸、息切れ、胸痛のある場合

 10.座位でめまい、冷や汗、嘔気などがある場合

 11.安静時体温38度以上

 12.安静時(SpO2)が90%以下

 途中でリハを中止する場合

 1.中程度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などが出現した
   場合
   強い疲労感の出現

 2.脈拍が120/分を越えた場合

 3.運動時収縮期血圧が40mmHg以上、または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した
   場合

 4.頻呼吸(30回/分以上)、息切れが出現した場合

 5.運動により不整脈が増加した場合

 6.徐脈が出現した場合

 7.意識状態の悪化

 いったんリハを中止し、回復を待って再開

 1.脈拍数が運動前の30%を超えた場合、ただし、2分間の安静で10%以下に戻ら
   ないときには、以後のリハは中止するか、または極めて軽作業のもに切り替える。

 2.脈拍が120/分を越えた場合

 3.1分間に10回以上の期外収縮が出現した場合

 4.軽い動悸、息切れが出現した場合

 その他注意が必要な場合

 1.血尿の出現

 2.喀痰量が増加している場合

 3.体重が増加している場合

 4.倦怠感のある場合

 5.食欲不振・空腹時

 6.下肢の浮腫が増加している場合

 *:この基準を満たそうとすると、練習が実施困難な症例も存在する。このような場合
   は、個別に対応方法を考慮する。
 (亀田メディカルセンター リハビリテーション室 編:リハビリテーションリスク管理ハンド
  ブック、MEDICAL VIEW,2008)