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スポーツによる脳損傷を予防するための提言について

 私達、柔道整復師は地域の柔道大会やその他の各種スポーツ大会・イベントに救護としてお手伝いしています。
 その中で、我々が日常の業務で取り扱う骨折・脱臼・打撲・捻挫等の単純外傷以外のトラブル(頭部外傷・熱中症・脊椎損傷等)に遭遇する事も想定しなければなりません。
 そこで、私達は平成25年12月16日に一般社団法人日本脳神経学会により発表された"スポーツによる脳損傷を予防するための提言"に基づき適切な対応を行うと共に、 広くスポーツ指導者や保護者、選手等多くの方達に普及啓蒙に取り組んで行きたいと考えています。

スポーツによる脳損傷を予防する為の提言
一般社団法人日本脳神経外科学会
 日本脳神経外科学会ならびに脳神経外傷学会は、「スポーツによる脳損傷」を予防す
る為の研究を行い、それにもとづいて可能な限り最善の診療を行うように努力してきた。
 しかし、医師は、患者ならびに関係者の行動を規制することができない。したがって、
適確な診療を行うには、国民の理解が不可欠である。この提言は、「スポーツによる脳損傷」
について、国民が認識しておくべき必須の事項を整理したものである。
1-a.スポーツによる脳震盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのことも
   ある。

1-b.スポーツによる脳震盪の症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続す
   ることもある。

2-a.スポーツによる脳震盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを繰り返し、
   急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫など、致命的な創損傷を起こすことがある。

2-b.そのため、スポーツによる脳震盪を起こしたら、原則として、ただちに競技・練習へ
   の参加を停止する。競技・練習への復帰は、脳震盪の症状が完全に消失してから徐々
   に行う。

3. 脳損傷や硬膜下血腫を生じたときは、原則として、競技・練習に復帰するべきでは
   ない。


ポケット脳震盪認識ツール

チャイルドSCAT3(第3版)

SCAT3 スポーツによる脳震盪評価ツール(第3版)

頭部外傷10カ条の提言(第2版)

競技復帰の為のプログラム
段階的競技復帰プロトコール(GRTP)

 現在の国際的なスタンダードでは、自覚症状が完全に消失するまでは競技復帰は許されないとされています。
 従って症状がある限り、何ヶ月或いは何年もに亘って競技復帰が認められない場合もあり得る。
 また、最終的な復帰の判断は専門医の診察を受け、許可を得た上で復帰させるべきであると考えます。
 症状の消失の確認後、段階的に活動量を上げながら約一週間かけて競技復帰となる。
 症状が完全に消失した後、下の表にあるメニューを1日単位で徐々に上げて行くが、この間に症状の再発があればその段階で運動を中止し24時間休息し、一つ前の段階から運動を再開するという手法を取ります。

段階的競技復帰プロトコール(柔道用)
GRTPの各段階各段階で許可する運動各段階の目標
安静(活動なし)身体と精神の休息、見学症状の消失、回復
軽い有酸素運動歩行、自転車など:抵抗を加えない
息が上がらない程度のランニング
心拍数をふやす
(最大許容心拍数の70%以下)
スポーツに関連
した運動
ランニング、頭への衝撃や
回転がない補強運動
(腕立て伏せ、腹筋、背筋など)
投技や固技の補助運動:一人打込など
身体の動きを加える
接触プレーのない
運動・訓練
回転運動、受身、打込、固技など。
練習に身体的、精神的負荷を加える。
筋力トレーニング(負荷の制限なし)
指導者による受身技術、
投技や固技の技術評価
専門医を受診し医学的に異常の無い事を確認の上、次の段階へ進むこと
接触を伴う練習通常の練習活動に参加
約束練習、投込、乱取
注意:指導者は段階的に指導する
コーチングスタッフによる
技術の評価と信頼の回復
競技復帰通常乱取や試合稽古参加、
公式試合への復帰
心技体の充実
※他の競技はそれぞれの競技用のプロトコールを参照の事

 小児~青年期(我が国では高校生以下として扱う)の脳機能は発達途上にあるので、脳震盪を含めた頭部外傷に対してはより慎重に対処すべきという立場から、無症状になってからの休息期間を延長するという考えが主流である(無症状になってから最低3週間の安静が必要とされる)。 という考えから当ブロック会員が関わる柔道大会(審判、監督・コーチ、救護等で参加)では、症状消失から1ヶ月未満の選手の出場を不可とすることを推奨します。
 ※症状消失から3週間の休息+GRTPの期間1週間=約1ヶ月